フッ素コーティングは酸やアルカリそして有機溶剤に強い
金属製品や樹脂製品にとって、耐薬品性が高いことは重要な特性です。酸やアルカリ、有機溶剤に暴露されても機械や製品が痛まなければ、設備を長く使用することができ、設備更新にかかる費用が抑えられます。樹脂系の撥水剤でも耐薬品性は得られるものの、酸やアルカリに強くても有機溶剤に弱いなどの問題があります。
しかし、化学的に被膜を形成するフッ素コーティングなら酸やアルカリ、有機溶剤などの耐薬品性も高くなっています。フッ素コーティングは、フッ素化合物の分子が金属や樹脂表面に被膜を形成するため、さまざまな材料が使用されている機械や電子機器にも加工し易いといったメリットがあります。また、樹脂系の撥水剤とは異なり、部品や隙間の隅々まで浸透するため、隙間から薬剤が浸透するといったことが避けられます。
そのほか耐熱性、電気絶縁性や耐アーク性耐熱性にも優れ、試験機や加工設備を保護するといった点において高い性能を発揮します。特に長時間に亘り、電気通電を行い、金属部品や樹脂部品の交換頻度が高くなるといった試験機においては、フッ素コーティングによりランニングコストを抑えることができます。さらに、樹脂系の被膜を形成する撥水剤とは異なり、ガラス部分に加工を施しても透過性が悪くなるどころか、より透過性を増すことができ、内部の状況を確認し易くなるといったメリットも生じます。